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羽毛布団の歴史


 

中世ヨーロッパの羽毛布団


 ヴァイキングによってもたらされた羽毛布団は、14世紀のころのヨーロッパで、しだいに使われるようになったいたと考えられる。しかし、一部の富裕層に限られていた。
 

中世ドイツの城中世ドイツの城では、ケメナーテと呼ばれる居間がつくられ、部屋にはベンチが置かれ、羽毛のクッションがその上に並べられた。城を持つ領主などは、羽毛布団に寝ていたようである。ガチョウをたくさん飼っていた東チロルの農家では、羽根布団が使われていたとある。
 

 

中世フランスの城中世フランスでは、羽毛布団に寝ることは、「ぜいを尽くす(coucher sur ie duvet)」という意味を持っていて、王侯貴族や公爵などに限られていた。
 

 

 

 

イギリスでは、フランスのように羽毛布団が贅沢な寝具とされたか否かは別として、14世紀のシェイクスピアの「オセロ」には、ダウンベットが登場してくるし、「ヴェニスの商人」には羽根布団を登場させている。15世紀から16世紀にかけてロンドンの商人たちの力は強まり、財産目録に羽毛布団が記録されている事から、イギリスでも羽毛布団の実用化がすすんでいった事が理解される。

                      シェイクスピア           オセロ

産業革命と羽毛布団

                        

18世紀末から19世紀にかけて進行した産業革命の波は、羽毛布団をも例外にはしなかった。大量生産体制と製品の質の向上のための、製造工程の機械化が進行した。ドイツのL.H.ロルヒ社が羽毛布団の製作工場として先進的な役割を果たしてきたし、普及に大きな役割を果たした。羽毛布団にとって、このような工業化体制の確立が大衆に広がる契機となって、全世界に広がる事になったのである。

                  羽毛布団の洗浄機械       羽毛布団の乾燥機
 

日本の羽毛布団

                          

日本においては、1950年にはじまる朝鮮戦争の勃発をきっかけに、軍用に用いる羽根枕の需要が大量に持ち込まれた結果、羽毛の集荷体制や製品化のシステムが急速に整えられた。


その後、防衛庁をはじめ中央郵便局等の官公需や、看護婦さん等の夜勤が多い職業への流通を形成していった。夜勤が多く、毎日布団を干すことができない環境にあって、過酷な仕事をこなす体を休めるには羽毛布団は最適であった。しかし、贅沢品ということで40%もの物品税が課せられていたこともあって、当時の庶民には「高嶺の花」であった。
 
     高度成長時代  大阪万博
 

1969年に物品税が廃止され、高度成長期ともあいまって羽毛布団は急速に普及することになる。さらに、1972年に日本と中国の国交回復が成立し、それ以降中国から水鳥の原毛輸入が本格化し、羽毛布団の質も格段に向上することになった。その後は。価格破壊と流通革命が進み、1984年には通信販売に代表される非店頭販売が第1位のシェアとなった。
 

初期の羽根布団には虫菌の駆除の点で苦情が多く、一時はブームに水をさす事態もあったが、間もなく改善された。ただそうした悪いイメージからの脱却もあって、現在は羽毛布団が主役になっている。

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